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山行記録-Index
北アルプス−テント泊で上高地〜蝶ケ岳〜常念岳<1日目/2日目> |
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朝は4:30に起床しました。
ダウンジャケットを着たままだったおかげで、まったく寒さを感じず熟睡した私。
トイレに行くためにテントから出て…夜明け前の美しい景色を楽しみました。
昨日の到着時に吹いていた風はぱったりとおさまって
夜の名残りの濃いブルーから、淡いオレンジまでのグラデーションをバックに
テントが黒いシルエットになって、静かで幻想的な風景でした。 |
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岳の介さんも起き出して来て、朝食の準備をしようかと思っていると
みんな天場の上の方に登って行きます。
「もうすぐ日の出だよ。モルゲンロートを見に行こうか。」
岳の介さんとカメラを持って上に登ると…
朝日を受けた穂高連峰がオレンジ色に輝いていました。
「みんなシャッターチャンスには同じことを考えてるから、見ててごらん。」
涸沢の辺りに小さな瞬きがいくつも…。
フラッシュの明かりだそうです。なるほど〜。 |
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気付くと、天場の上からさらに小高くなっている辺りに人がたくさんいるようです。
「ひょっとして、あそこが蝶ケ岳の頂上なの??」
サンダル履きのままひょこひょこと登ると…やっぱり頂上でした!!(^_^;)
蝶ケ岳の頂上の位置は昔と違うらしい…地図を見ても今ひとつ??でした。
4:55 蝶ケ岳(2,677m)頂上到着です。(笑)
(2004年秋に頂上標が変更になったそうです。)
穂高連峰をバックに記念写真です。 |
モルゲンロートに染まる穂高連峰の姿を堪能してテントに戻ってきました。
やっと朝食の準備です。(笑)
朝食は夕食の残りのご飯で作ったリゾットでした。
8月とは言え2,700m近くの朝は気温6〜7℃と冷えるので
熱々のリゾットはとても美味しく感じました。
朝食を食べたら私は食事の片付け、岳の介さんはテント内の整理です。
そして撤収も慣れたもの、サクサク片付けます。 |
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出発前にヒュッテによって、行動時分の水を買いました。
(1Lで150円)
しっかりトイレも済ませて
ザックのベルトを締め直します。
昨日と比べたら水も食料も減って、ずいぶん軽くなったはずなんだけどなぁ?
どうしてこんなにずっしり重いんでしょう?(^_^;)
6:15 蝶ケ岳ヒュッテから出発です。 |
蝶ケ岳ヒュッテからすぐの「瞑想の丘」を通り過ぎ、稜線に足を進めます。
長塀尾根の登りとは打って変わっての縦走路に心躍ります。
このコースは私たちが歩くのとは逆方向…
燕岳から徳沢に向かって歩くポピュラーなコースなので
登山道も明瞭でペンキマークもしっかりしているので安心でした。(^^) |
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青空に穂高連峰が映えて、ため息の出るような光景が広がっています。
まるで雑誌のグラビアページに入り込んだみたいです。
ず〜っとこのまま、ここにいられたらいいのになぁ…。
「ここはサイクリングロードって呼ばれてるんだよ。」
岳の介さんが教えてくれました。
「自転車かぁ…ここまで持ってくるのが大変そうだよ?」
あぁ、夢のない私。(^_^;) |
でも、そんなに「水平」な道が続くわけもなく…
お花畑の中を通り過ぎ、下りてはまた登り…
9:10 蝶槍に到着です。
「うぇ〜、暑い!!休憩!!(^_^;)」
しっかり地図を見ながら、見えてる山の名前を教えてもらったりしました。
お腹も空いていて、行動食をパクパク…たくさん食べました。
穂高より槍ヶ岳が近くなってきたような気が…気のせいかな?(笑) |
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蝶槍を過ぎる辺りから、岩が少しずつ大きくなってきました。
「あぁぁ…せっかく登ったのに、下りなくていいのに…。」
そんなことを思いながら、岩でごつごつした稜線から樹林帯に何度ももぐり
「樹林帯は日に当たらないから楽でいいよね。」
と負け惜しみを言いつつ、汗をだらだら流しながら登り返します。
やがて見えてきた常念岳は高く高く、天に突き刺さらんばかりに尖って見えて…
大きさを増した岩のルートに手も足も届かず、普段より大きく重いザックに手間取り
岳の介さんが普通に通り過ぎる場所で1〜2分試行錯誤してやっと通り抜け…
小学生位のお子さんが一緒の家族連れパーティーともいくつかすれ違いましたが
岩場のトラバースとか、私でも怖かったのに…
子供なんかひとつ間違えて落ちたら確実にアウト…
恐ろしい〜!!よく連れて歩けるなぁ…。(^_^;) |
11:30 常念岳(2,857m)頂上到着です!!
2人とも写真では元気そうに笑って見えるけれど,実は結構フラフラです。(笑)
常念岳の頂上は写真の通りごつごつした岩でした。
フラフラの私はその上に立つ気力がありませんでした。(^_^;)
やっと頂上についてひと息入れたいところですが、狭い頂上で場所がありません。
持ってきた水も底をついてしまったので、とにかく常念小屋を目指します。 |
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常念岳から小屋までの下りが、また急でした。
岩の上を歩くのはそんなに嫌いではない私ですが
大きな岩、手や足の置き所を間違うと体を支えきれず落ちてしまいそうで
CTをまるで無視したのろまぶり…岳の介さんが見る見る小さくなるぅ〜…
一緒に歩いていて初めて「待って〜!!」と叫んだ瞬間でした。(>_<)
眼下に見える赤い屋根の常念小屋、見えるのにたどり着けないもどかしさ。
でも転んで怪我でもしたら身動きが取れなくなるので、気を抜かずに歩きました。 |
13:10 常念小屋到着です。
ヨロヨロしながらたどり着いてザックを投げ出し、水を買ってきて…
ゴクゴク飲んで…はぁ〜!!生き返ったぁ〜〜!!!
(1Lで200円)
本当はこの日、大天井まで行くつもりだった私たち。
常念に着く頃には、無理だと痛感してしまいました。
荷物が重い上にこの暑さです。
大天井から槍ヶ岳を回って下りて来る壮大な計画…2日目にして挫折です。(^_^;)
何より、もっと素敵な計画を耳にしていた私たち。
常念小屋で飲むよりもっと美味しい生ビールが頭の中をグルグル…。
下山と決めて、小屋の前で行動食や、きゅうり、プチトマトをパクパク食べました♪ |
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常念小屋でタクシーの予約を済ませて14:45出発です。
常念小屋の向かいから下りて行く一の沢沿いのコースはすぐ樹林帯に入ります。
北アルプスの稜線ともお別れ…寂しいけれど感傷に浸っている時間はありません。
土砂崩れがあり、登山口からさらにタクシーに乗れるまでだいぶ歩くとの事。
これから4時間でタクシー乗り場に辿り着かなくてはなりません。
もう日差しがないので帽子を取って…
髪が邪魔なのでバンダナを巻いて戦闘モードです!(笑) |
15:25 「最後の水場」到着です。
先ほどまでの直射日光の下と違って樹林帯の中とは言え…
怒涛の下りです。汗だくです。
2人で水をゴクゴク飲んで、顔を洗って…
水場があるのがわかってたら、こんなに水を担がなかったのになぁ!!(^_^;)
久しぶりに顔を洗って、汗を流してさっぱりしました〜〜! |
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丹沢で落ちて以来、橋はちょっとトラウマな私。(^_^;)
でも、このくらい幅があれば大丈夫。(笑)
水場を過ぎると沢沿いを歩くことになりますが、この辺りで岳の介さんは
「このままだとタクシーに間に合わない!」と判断したみたいで…
ただでさえ普段歩かないスピードで下りていたのに、さらに加速。
なので私が撮った写真は、岳の介さんが水を飲んでる姿が最後です。(^_^;)
普段は一緒のペースで歩いている私たちですが
背の高い岳の介さんは、本気で歩くととっても速い!!!
いくら荷物を軽くしてもらっても、歩幅が違う私はまったく追いつけず…
それほど危なくなさそうな所はほとんど走って追いかけてました。(T_T) |
一ノ沢のコースは初めてでしたが
たくさんのパーティーとすれ違いました。
手軽に常念に登れる人気のコースのようです。
とっても素敵な沢でしたが…
岳の介さんを追いかける私に余裕はありません。
可愛いお花たちも、横目で眺めてお終い。(^_^;)
センジュガンピ
千手岩菲 ナデシコ科
ミヤマシャジン
深山沙参 キキョウ科
ノハラアザミ
野原薊 キク科
ミヤマトリカブト
深山鳥兜 キンポウゲ科 |
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18:10 ボロボロの状態で…ヒエ平登山口到着です。(^_^;)
登山口にトイレと水道があり、水を飲んで一息入れました。
またそこから足を引き摺りながら土砂崩れの林道を延々歩いて…
18:45 タクシーに辿り着いた時は本当にホッとしました。
穂高駅から初めての大糸線に乗り込んで…辿り着いたのは松本です。
「もうこれ以上背負って歩くのは無理!!」
必要な物だけ持って、ザックは松本駅のロッカーにデポ。
駅前でとりあえず電話連絡を入れました。
「あ〜!akemiちゃん?今どこなの?星がきれいでしょ〜?」
「今ですか?播隆上人の前で〜す!(笑)」 |
実はこの日、潤平さんや木曽駒さんが山海亭さんに集まると聞いていたのでした。
なので常念岳で夏の日差しに晒され続け、大天井到着を断念した私たちの頭の中では
「今日中に下界に下れば、山海亭さんで潤平さんたちと生ビールが飲める!!」
この言葉がグルグルと回り続けていたのでした。(笑)
駅前の店に飛び込んで最低限の着替えを買い
銭湯でドロドロの汗を流して山海亭さんへ!!
「え〜!?こんないいお天気なのに下りてきちゃったの〜?」
「うわ〜、もったいない〜!!」
「いや〜、だって、山海亭さんでみんなと一緒に生ビール飲みたかったんですよ〜!」
岳の介さんと2人、とりあえずの生ビールをグビグビ飲みながら答えます。(^^)
翌日の予定があるという木曽駒さんとは辛うじて乾杯だけした感じでしたが
残ったメンバーでわいわいと楽しく飲んで…
蝶ケ岳の稜線から見る穂高連峰の美しい景色も堪能できたし
夏のテント泊装備での縦走の辛さも(サワリだけだけど)味わえたし
こうしてみんなと生ビールを飲んで、まったく後悔ナシ!!でした。(笑) |
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生ビールで喉の渇きを癒し、ひとしきり飲み食いした私たちに潤平さんが一言。
「じゃあ、これからボクが深夜の松本の街を案内しましょう!」
おぉぉ!何てことでしょう!!
世の中に溢れる潤平ファンの皆さま、スミマセン!
私たち、潤平ワールドに案内して頂いてしまいました!!(笑)
女鳥羽川を渡り、繩手通りを抜けて足を踏み入れたのは…
怪しい雰囲気が炸裂する「明智小五郎通り」です。
同じ風景の中でも潤平さんの解説付きで歩けば、そこは不思議な空間。
普段飲んで寝てしまっている時間なのに、大人数で変な歩く楽しさ。(笑)
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怪しい深夜の松本の街を徘徊して辿り着いたのはこのお店…
韓国風居酒屋 やんばんです。
深夜の01:30を回っているのに営業していたというだけで入ったのだけど
コレが予想外に大当たりでした。
グデングデンの私たちでしたが食い気だけは衰えない私が勝手にオーダー。(笑)
チヂミやチャプチェ、餃子などを頼みました。
コレが全部、なかなかのお味でした。 |
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お店のスタッフの会話はどうやら韓国語…
なるほど、料理が美味しいわけですね。
チャプチェは春雨の炒め物ですが、シコシコした歯ごたえの春雨は感激でした。
しっかり食べていたのは、たぶん私だけ?
みんなチューハイを飲みながら、思い思い勝手なおしゃべり。(笑)
深夜3:00の営業終了時間に合わせて店を後にしました。
その後も女鳥羽川沿いを「松本ボンボンがいかに暗いお祭りか!!」
と言う潤平さんの力説を耳にしながら歩き
左右がわからないほど酔っ払った私たちは、それぞれの宿に帰ったのでした。 |
岳の介さんと2人で暮らして初めての夏山です!!
そして、私にはこれまた初めてのこんなに長い日程の取れる山行でした。
この機会を逃すわけには行かない!!
という事で、初めてのテント泊山行!しかも縦走♪
当初のコースは「上高地→蝶ケ岳→常念岳→大天井→槍ヶ岳→上高地」と言う周回コースでした。
コレを4泊5日で回る…ハズだったんです。
でも2日目のスケジュールがCTで8時間以上というのは、計画中も厳しい予感はしていたんですよね。(^_^;)
予想以上の好転に恵まれての過酷な暑さの中、テント泊装備での行動は想像以上に大変でした。
「2日目に大天井まで辿り着けないと、5日目に上高地に戻れない。」
「常念岳でこれだけ大変だと感じたら、この先のコースは私にはきっと難しい。」
「これより先に進むと、途中でエスケープすることはできない。」
そして何よりも一番大きかったのは
「今日中に下れば、みんなと一緒に山海亭さんで生ビールが飲める!!」
一番の決め手になったのは、決して否定できません。(笑)
大天井も槍ヶ岳も徳沢のテント泊も、まだまだこれから先、行ける機会はきっとあるから…。
蝶ケ岳の稜線から、これ以上ないほど素晴らしい穂高連峰の姿も楽しめたし
結果としてみれば、とっても満足できた今回の山旅でした。
反省点は…
まずは、やっぱり「軽量化」ですね。
テントやシュラフに加えて食料、それにガスカートリッジやコッフェル類も小屋泊まりに比べると重くなります。
「え〜?テント泊だけど総重量13Kgぐらいだよ?」という男性もいれば
「やっぱりテント泊だと20Kgくらいになっちゃいますね。」という女性もいて
一体どの位が適正なのかはわからないけれど、軽い方が楽なのだけは間違いありません。
今回は5日分という事で、その分重たくなってしまったのもありましたが、まだまだ改良の余地はありそうです。
このレポには登場していませんが乾燥野菜は大成功でした。
他のメニューも色々開発したいと思っています。(^^)
そして、スケジュールが厳しすぎました。
テント泊装備だとCTで6時間位が慌てずに歩ける限度のような気がしました。
慌てて歩いても、楽しくないですからね。
今回は常念から怒涛の下りを強行しましたが、万が一にも怪我をしないようにかなり神経を尖らせていました。
岳の介さんと歩いていて、あんなに長い時間口をきかなかったのは初めてのことでした。
せっかく一緒に歩いているのだから、楽しさも辛さも一緒に味わえるだけの余裕はなくしてはならないと思いました。
初めてのテント泊、初めての縦走。
私よりずっと重たいザックを背負って、炎天下でずっとリードし続けてくれた岳の介さんに感謝です。(*^^*)
今回は今までで一番大変だったけど、経験を生かして…また楽しい山旅を続けて行きましょうね♪
さて、4泊5日の予定で出発した私たち。
1泊2日の山旅&松本アルプス縦走だけで終わる訳もなく、実は続編があります。(笑)
そして、今から1週間後に次の山行の予定が決まっている私たち。
次のレポ、なんとしても今週中にはUPします!!乞う、ご期待!!(^_^;) |
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北アルプス−テント泊で上高地〜蝶ケ岳〜常念岳<1日目/2日目>
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